告白 / 町田康

告白 (中公文庫)

告白 (中公文庫)


読了
他の本を先に読んだり、ゲームしたり
少し放置してしまったけど、お盆休みに一気。
人によっては だらだらと長い印象を受けるようだけど
熊太郎が成長する過程での さまざまな出来事や
それに沿って綴られる熊太郎の思惑・胸裏が
最終的には 全部ひとかたまりの結末へと続く
その、なんていうか、砂が流れる(ほどスムーズでもないけど)ような進行。
熊太郎が体験することは、私達の誰もが経験したことのある
世の不条理・不当・理不尽な様をうつしていて、
なぜ?という悲しみにも似た諦めのような感情だって
きっと沢山の人が抱いたことのあるもの。
だから、熊太郎の思いをのぞきながら、
憎めない人柄と その身に降り注ぐ事へのもどかしさを感じて
(まあ、熊太郎は極道者をよそおって博打ばかりで駄目なんだけど)
結末へ進むにつれての 読み手の感情は、なんとも表現しがたいものになる。
最後の最後で、抱くこの気持ちは なんと言えよう。
そして、このタイトルよ!
素晴らしかった。
なんだろう。こういう人、読んだことないな。
ほんと、面白かった。
町田康すごい。